あく 【灰汁

▼ 灰を水に溶かして、うわ澄みをすくった汁。炭酸・アルカリなどを含み、媒染剤・絹の精練・漂白などに用いる。

◆ 突然頭の上で、ごろごろと春の雷(らい)が鳴った。仰向(あおむ)いて見ると、空はいつの間にか灰汁桶(あくおけ)を掻きまぜたような色になって、そこから湿っぽい南風(みなみかぜ)が、幅の広い砂利道(じゃりみち)へ生暖く吹き下して来た。(芥川龍之介 『路上』)

◆ 山を覆(くつがへ)したやうに大畝(おほうねり)が來たとばかりで、――跣足(はだし)で一文字に引返したが、吐息もならず――寺の門を入ると、其處(そこ)まで隙間もなく追縋(おひすが)つた、灰汁(あく)を覆(かへ)したやうな海は、自分の背(せなか)から放れて去(い)つた。(泉鏡花 『星あかり』)

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アクリル 【Acryl〔独〕

▼ 「アクリル樹脂」「アクリル繊維」の略。

0040313[〈家具は村内-家具用語辞典〉]
▽ 【アクリル樹脂】 軽くて透明度が高く、美しい光沢をもつプラスチック。やわらかくて細かい傷がつきやすいが、耐候性があり屋外でも劣化しにくい。
www.murauchi.net/dictionary/yougo_a.htm

040313[アクリルの歴史〈変糸-アクリル繊維〉]
◇ アクリルの主原料はアクリロニトリルという石油から作られるもので19世紀末に発見されました。これを繊維化に成功したのは1944年、日本では1956年〜1959年にかけてポリエステルと相前後して工業生産されるようになりました。
marusyosangyo.jp/~kawariito/akuriru.htm

040313[3大合成繊維〈カネボウ合繊株式会社〉]
◇ 樹脂製品からナイロン、アクリル、ポリエステルの3大合成繊維を製造しています。
www.kanebo.co.jp/contents/02annai/jigyo/sen/sen.htm

040313[洋服のタグ〈貧乏大辞典第二版〉]
◇ 【洋服のタグ】 洋服に縫いつけられた、どこの製品であるかとか、素材は何であるかなどの情報を示す認識票。買ってきたらすぐに切り取ってしまうと、アクリル製の安物であることが判りにくくなる。
taku3.jh.net/binbo/dic/d_ya.html

040313[アクリル絵の具〈あしあ島-雑記〉1998,12]
◇ 「アクリル絵の具」の存在を知ったのは高校生の頃で、まるで写真のような絵を描く先輩が使っていました。 / 油絵の具と違って匂いもないし、溶き油がなくてもお水で薄めることが出来て、乾くと耐水性になる。
fish.miracle.ne.jp/ashiato/zakki/douraku/acr.html

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あさ 【

▼ (1)クワ科の一年草。中央アジア原産。渡来は古く、古代から重要な繊維植物として栽培されてきた。茎は直立し、1〜3メートルになる。葉は三〜九枚の小葉からなる掌状複葉で、各小葉は披針形で縁に鋸歯(きよし)がある。雌雄異株。初夏、淡緑黄色の雄穂、緑色の雌穂をつける。雌株からは麻薬がとれる。茎の靭皮(じんぴ)を繊維として利用する。皮をはいだ残りは「おがら」と呼ばれる。種子(麻の実)からは油をとり、また鳥の飼料などにする。大麻(たいま)。[季]夏。
(2)(1)に似た長い繊維を持つ植物。アマ(亜麻)・チョマ(苧麻)・コウマ(黄麻・ジュート)・マニラ麻・サイザル麻など。
(3)大麻・苧麻・亜麻・ジュートなどからとる繊維。またその繊維で製した糸・布など。大麻・苧麻など靭皮繊維からとるものとマニラ麻・サイザル麻など葉脈繊維からとるものがある。強靭で用途は広く、衣料・綱・網・梱(こうり)包布などとする。

◆ 自分は彼をそのままにして、麻の座蒲団の上に胡坐をかいた。(夏目漱石 『行人』)

◆ その自動車は村の街道を通る同族のなかでも一種目だった特徴で自分を語っていた。暗い幌のなかの乗客の眼がみな一様に前方を見詰めている事や、泥除け、それからステップの上へまで溢れた荷物を麻繩が車体へ縛りつけている恰好や――そんな一種の物ものしい特徴で、彼らが今から上り三里下り三里の峠を踰(こ)えて半島の南端の港へ十一里の道をゆく自動車であることが一目で知れるのであった。(梶井基次郎 『冬の蠅』)

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アスファルト 【asphalt

▼ 天然には石油層に含まれ、また石油精製の際に残留物として得られる黒色の固体または半固体物質。主成分は複雑な炭化水素。天然のものは原油が地表近くで揮発成分を失って重質部分が残ったものと考えられる。道路舗装・防水・保温・電気絶縁などの材料として利用される。土瀝青(どれきせい)

◆ 窓の下のアスファルト路を、さかなやの自転車が疾駆し、おう、けさは、やけに富士がはっきり見えるじゃねえか、めっぽう寒いや、などつぶやきのこして、(太宰治 『富嶽百景』)

◆ 彼の家の方角に通ずる路は坦坦としたアスファルトの軍用道路で、彼はこの道が好きであつた。(小熊秀雄 『監房ホテル』)

◆ 人通りの絶えた四条通は稀に酔っ払いが通るくらいのもので、夜霧はアスファルトの上までおりて来ている。(梶井基次郎 『ある心の風景』)

◆ 夜になると街のアスファルトは鉛筆で光らせたように凍てはじめた。(梶井基次郎 『冬の日』)

040310[ある委員の提言〈多治見市-第2回多治見市緑化樹木選定基準検討委員会〉2004.1.27]
◇ もう学生運動など起きないだろうから、アスファルトやコンクリート舗装などやめて敷石にしたらどうですかね。
www.city.tajimi.gifu.jp/section_news/koen_midori/topix/ryokajyumoku/top/2kai/gijiroku.htm

040310[街路樹が枯れた理由〈もうひとつのさとやま通信-No.6〉2003.6.14]
◇ 1970年代に、東京中の街路樹がバタバタと枯れてしまったことがある。 / 時は折しも「光化学スモッグ」が話題になり始めていた頃でもあり、「原因は排気ガスか?!」と騒がれた。しかし原因は違った。 / 当時は学生運動真っ盛りの頃で、銀座、新宿、新橋、お茶の水といった駅周辺では、連日、デモ隊と機動隊の市街戦が繰り広げられていた。機動隊のガス銃、放水車、「国家権力」に対して、デモ隊の武器は「国家権力に対する暴力は、権力を持たない者の正当防衛である」という都合のいい解釈と、ゲバ棒、こけ脅かしだけの火炎ビン、そして主力は投石であった。 / 当時東京の歩道は、25センチ角、厚さ3〜4pの敷石が敷き詰められていた。 // デモ隊の投石用の石はこの敷石であった。デモ隊と機動隊が交差点でにらみ合うと、デモ隊に同行していた救隊がバールで敷石を剥がし始め、真ん中をコツンと叩くと全く程良い大きさの石ができる。投石用の石は現地調達だったのだ。 / 「これではたまらん!」と権力は敷石を全部剥がしてしまい、(剥がした敷石は東京湾の埋め立てに使った)アスファルトに変えてしまった。(お金のない自治体は交差点を中心に10メートルだけ、アスファルトにした) / 新宿を始めとするターミナル駅構内も線路のバラストが撤去され、アスファルト化されるという徹底ぶりだ。
www.melma.com/mag/35/m00082735/a00000007.html

040310[座談会での作家・北方謙三の発言〈有鄰-No.406〉2001.9.10]
◇ 今だったら絵空事だけれども、あのときは明確にリアリティーを持っていた。僕はいまだに若いやつらに、「あんたら全共闘やって、日本のどこを変えたんだ」と言われて、「歩道を変えたんだよ」と。昔、歩道は四角い踏み石だったんですが、それを引っぱがしてババンと割って機動隊に投げた。一番引っぱがしたのは、お茶の水の明治大学辺り。この辺が日本で一番最初に歩道が全部アスファルトに変わったはずです。あれは俺たちが変えた。それで今の若いやつらに「お前、公園の砂利一つ変えたことがあるか」って(笑)。
www.yurindo.co.jp/yurin/back/406_1.html

040310[パリのマラソンコース〈athletics〉2003.7.30]
◇ パリのアスファルトの下は、御影石の石畳。60年代学生運動が盛んのとき、学生は石畳を掘り起こして武器にした。そこでパリ市が石畳の上にアスファルトを流した。 だから、このコースはアスファルトの上を走るが硬く脚にくる。
agenceshot.free.fr/athletics/pariyosou3.html

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アセチレン 【acetylene

▼ 可燃性の無色の気体。化学式 C2H2 炭化カルシウム(カーバイド)に水を注ぐと生じるが、このとき微量の不純物を含むため特有の匂いがある。工業的には天然ガス・ナフサを高温で分解してつくる。燃焼時に高温を出すので、照明・溶接・切断に利用する。合成樹脂・合成繊維・合成ゴムなど多くの有機化合物を合成する化学工業原料として重要。エチン。

040311[にんにく臭〈ジャパン・エア・ガシズ株式会社-製品ご紹介〉]
▽ アセチレン(C2H2 )は大気中には存在しませんが、カルシウムカーバイドと水で反応させて合成します。19世紀には“アセチレンランプ”として家庭や採鉱場で使われました。 / ガス状の炭化水素は無色で強いにんにく臭がし、不安定で燃えやすく酸素と反応して非常に高温の炎(3000℃・5400F)が発生します。
www.jpairgases.com/jp/business/products/acetylene/index.asp

◆ お神楽の太鼓や疳高くピイピイ鳴る風船の笛、或いは爆竹の音、アセチレン瓦斯、おでん屋の匂いなんかの中に、凍えるような夜をふかすのだった。(若杉鳥子 『雨の回想』)

◆ 魚をとるときのアセチレンランプがたくさんせわしく行ったり来たりして黒い川の水はちらちら小さな波をたてて流れているのが見えるのでした。(宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』)

◆ げに、かの場末の縁日の夜の/活動写真の小屋の中に、 / 青臭きアセチレン瓦斯の漂へる中に、 / 鋭くも響きわたりし / 秋の夜の呼子の笛はかなしかりしかな。(石川啄木 「げに、かの場末の」)

040311[〈語る60歳以上-アセチレン自動車/健ちゃん(71才)〉]
◇ 木炭自動車と共にアセチレン自動車があり、カーバイドをタンクに入れ、確か水を注ぎ、その熱を利用してエンジンを動かして走っていた記憶があります。/ アセチレン自動車は主にタクシーに用いられていたのではないでしょうか。 / 余り記憶が定かではありませんが、これも又戦中戦後の時代を思い出される一つです。
www.infosakyu.ne.jp/~kkii/kenchan006.htm

040311[映画字幕翻訳者・戸田奈津子の思い出〈YOMIURI ON-LINE -お品書き〉2002.6.11]
◇ 週に1度、小学校帰りに勤めを終えた母と東京・新宿で待ち合わせた。終戦後の街は、アセチレンランプのにおいがした。闇市の露店が立ち並ぶ道を2人並んで映画館へと急ぐ。
www.yomiuri.co.jp/wine/shinagaki/20020611si11.htm

040311[「立ち絵」の紙芝居〈民話と紙芝居の家-こども文化〉]
◇ この紙芝居は、祭礼や縁日などにテント小屋で興行され、客はもちろん子供、出し物は怪談もの、侠客ものなどだったが、一番人気があったのは「西遊記」や「孫悟空」であったということです。 / 大正時代の子供達は、縁日の夜、アセチレンランプの匂いをかぎながら、「孫悟空」の大活躍に胸を躍らせていました。
www.sarugakyo.net/kamishibai/kodomobunka/kodomo5.html

040311[ルソン島の鍾乳洞ツアー〈森羅万象-ルソン島の旅〉]
◇ 穏やかそうな若者が入り口を指さしたのでうなづくと、さっそくアセチレン・ランプの用意を始めました。50ペソ(140円)のガイド料を払って中へ。
www.asahi-net.or.jp/~aj6h-ab/709.htm

040311[大学の化学教室での出来事〈教科書にない実験マニュアル-水に油〉]
◇ ある学生が試薬棚の整理をしていた。 / その中から古いカルシウムカ−バイドの缶が出てきた。まわりは錆びついてしまい、中を覗いてみたが半分以上水酸化カルシウムに変わっていそうであった。 / 実験に使えないと判断した学生はその缶を処分することにした。しかし、うかつに他の試薬と混ぜてはアセチレンが発生して危険である。そこで、学生は缶をドラフトへ持って行き、ドラフト内の流しに水を流しながら少しずつ薬さじでカ−バイドを入れていった。 / カ−バイドは順調にアセチレンの泡を出しながらなくなっていった。ところが、学生の方は少しずつという作業が苦手で、カ−バイドの量を少しずつ増やし始めた。それに伴って、泡は益々激しく発生し、細かい粉を辺りに撒き散らしていった。 / その時、アセチレンに火が着いてしまった。学生は火を消そうと思ったが、どうすればいいかわからない。 / でも水を大量にかければ冷却されて消えるかもと思って水をかけてみた。すると辺りに飛び散った粉までもが燃え始めてしまい、火に油(火に水?)を注いだ結果になったのである。
okumedia.cc.osaka-kyoiku.ac.jp/~rika/kagaku/manual/m127.html

040311[手塚治虫のアセチレンランプ〈森の伝説-親友が語る手塚治虫の少年時代〉]
◇ 手塚君によりますと、非常に残忍で悪漢であったといわれます「アセチレンランプ」というキャラクターがあるわけでございますね。これはもう、鉄腕アトムのころから最後の最後まで、彼の作品の中にはのべつ出てくるという悪役でございますけども、
www2.ocn.ne.jp/~norimi/kouen3.html

040311[昭和30年代南阿蘇・治山工事の飯場〈南阿蘇-僕が育ったまきば〉]
◇ 電気までは引かれていなかったので、電灯の代わりにカーバイトのアセチレンランプが使われていた。コールタールに漬け込んである石油缶から真っ黒なカーバイトの塊を取り出し、容器に入れ水を加えて蓋をする。ポンプの様なものを2・3度つくと口の部分から異様な臭いのするガスが出始め、これにマッチで火をつけ炎を調節していた。 / 理屈の分からない僕らにはそれは魔法の塊に見えた。1度かけらをもらって水溜りに入れブクブクとガスを出して遊んこともあった。 / 後にこれがアセチレンガスだと知ったが、当時は驚異の世界であった。
www4.ocn.ne.jp/~nonakat/new_page_13.htm

040311[アセチレンの臭いの元〈@nifty forum -化学の広場〉]
◇ カーバイド法アセチレンの不快臭はおもにホスフィン PH3 に原因があります。その他に硫化水素、アンモニア、シランなど硫黄、窒素、ケイ素などの水素化合物を含みます。
forum.nifty.com/fchem/log/rika/348_main.html

040311[〈中尾ハジメウェブサイト-「環境ジャーナリズム」2002後期〉2002.10.8]
◇ みなさんが後期のはじめにやった『苦海浄土』に出てきたチッソ──あるときは,新日本窒素とか,会社の名前はいろいろ変わりますが──が造っていたものは,なんだったでしょう。チッソは,もともとは何の会社だったか。 // これが,二三年も経たないうちに,カーバイドを造る会社になる。カーバイドって知っている? アセチレン・ガスって聞いたことある? 昔は,夜店はアセチレン・ガスを灯かりにしていたんですよ。それから,イカ漁は,今はものすごい投光器を使っていますが,昔はアセチレン・ガスの灯かりでやっていた。そのアセチレンのもとになるのがカーバイドだよ。いいかい。そのカーバイド会社は,すぐに今度は,肥料を造りはじめる。その肥料は,窒素肥料だね。
www.kyoto-seika.ac.jp/nakao/class/journalism_2002_02/journalism_04.html

040311[白川秀樹のノーベル化学賞〈Mainichi INTERACTIVE -余禄〉2000.10.12]
◇ アセチレンを化学反応させてポリアセチレンをつくる実験のとき、大学院生が指示された量の1000倍の触媒を加えてしまった。「指示した私の字が汚くて読めなかったのか、勘違いしたのか」、白川英樹さんの予期しない結果が待っていた。予期しなかったノーベル化学賞までも。
www.mainichi.co.jp/eye/yoroku/200010/12.html


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アラバスター 【alabaster

▼ 雪花石膏(せつかせつこう)

040313[アラバスター〈MARIOT CLUB-照明用語集〉]
▽ 和名で雪花石膏。細かい鱗片状の結晶が集まった石のこと。よくブラケットやシャンデリアのセード素材として使われています。ただし,63.5゚Cで徐々に脱水し白濁してしまうため、ブラケットなどの使用ランプのワット数は低く設定されています。
www.mariot-club.com/word/araba.htm

040313[〈TDK- Science Museum-No.14〉2000.8.7]
▽ 微細な石膏の結晶粒が多数集合したものは西洋ではアラバスターと呼ばれ、工芸品の材料として用いられました。石膏はモース硬度で第2番目、滑石に次いで軟らかい鉱物で、容易に彫刻をほどこすことができるからです。アラバスターは多結晶体なので透明ではありませんが、ある程度の透光性を残します。乳白色のガラスのような柔和な光が得られるため、採光用の窓ガラスがわりにも使われました。
www.tdk.co.jp/tjdad01/dad00014.htm

040313[アラバスターの如き白い肌<鉱物たちの庭-ギャラリー>]
◇ 沙翁はマクベスかなにかで、「アラバスターの如き白い肌」という言い回しをしていたが、それは温もりと柔らかさと透明感のある白い塊だ。大理石よりよく光を通すので、かつてヨーロッパではランプや燭台のホヤに愛用された。
www.asahi-net.or.jp/~jm9n-ymkw/mine/gallery4/281gyps.html

040313[エジプトの土産品〈ナイルストーリー-エジプトのお土産〉]
◇ これもルクソールの定番お土産、アラバスターで出来たピラミッドです。これは中がくりぬいてあって、中に豆電球が入っています。アラバスターは光を通すので、電気を通すとぼんやりと光ります。
www.nilestory.co.jp/omiyage.htm

040313[手塚治虫の『アラバスター』〈桐生史の館-漫画の部屋〉]
◇ 手塚漫画の異端者(?)アラバスター。半透明となった残酷な復讐の鬼。なんですが、管理人はどういうわけかこのキャラに思い入れがあります。ゲンが好きになれなかったからでしょうか、いかれっぷりにやられたんでしょうか、片思いっぷりにやられたんでしょうか、黒い服にやられたんでしょうか(多分これだ)。
www1.odn.ne.jp/~cic09910/manga/_arabasuta_.html

040313[ダンセイニの小説〈百鬼の扉-アンソロジー案件〉]
◇ 「倫敦の話」 ロード・ダンセイニ著 西條八十訳 『架空の町』(国書刊行会)所収 / なぜかのっけからロンドンの話。どうしてって? この小説はね、バクダッドの王が、麻薬に溺れた幻視者にロンドンの話をさせる、そういう趣向なのさ。ダルシマの音が響き、真っ白な駱駝がアラバスタを敷き詰めた道を歩く、ロンドンの街。この魅力的な異界のロンドンを描いたのが、イギリス住まいのダンセイニ、ってとこがまた粋なんだ。
www2u.biglobe.ne.jp/~sasah/reviews/hyo3.html

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アラミドし 【アラミド紙

[特殊な紙〈立川紙業-紙の豆辞典4〉1997.2]
▽ レーシングスーツや消防服に使用されている繊維を混ぜた紙で、主に、モ-夕-、発電機の絶縁材料に用いられています。
www.kami.jp/mame4.htm

040315[アラミド紙〈MARIOT CLUB -照明用語集〉]
▽ 機械強度や絶縁性能,耐熱性が非常に高く、紫外線や湿気に弱い加工紙。光を通すと和紙のような雰囲気になるため、和紙の代替えとして照明器具に使われている素材です。 / 昔、「紙の上で目玉焼きが焼ける!」というデュポン社のコマーシャルがあったのを覚えていらっしゃいませんか?
www.mariot-club.com/word/arami.htm

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アルマイト 【alumite〔和〕

▼ アルミニウムの表面を、電解法などによって酸化させて酸化物の膜を作り、腐食されにくくしたものの商標名。耐食性・硬さ・耐耗性・耐熱性が向上し、光沢が保持される。台所用品をはじめ多くのアルミニウム製品に利用される。

040312[アルマイトの語源〈理研ニュース-No.249〉2002.3)]
▽ 宮田は、耐蝕性の高い酸化被膜を「アルマイト」と命名した。アルマイトの語源は、“エボナイトのように丈夫なアルミ”という意味で、“Aluminium”と“Ebonite”から生まれた和製英語“ALUMITE”である。丈夫なアルマイトはまたたく間に普及し、アルマイトのレコード盤も生まれた。さらに、アルマイト被膜の多孔質に着目し、漆器の素地として活用、アルマイト漆器は、当時の日本の貴重な外貨獲得源となる。
www.riken.go.jp/r-world/info/release/news/2002/mar/

040312[アルマイトは日本語〈理研アルマイト工業-アルマイト小辞典〉]
▽ アルマイトと言う単語は日本にしか存在しません。アメリカでは一般にアノダイズ(陽極処理:ANODIZE,ANODIZING)と呼ばれています。財団法人理化学研究所が1929年に蓚酸法陽極酸化皮膜を発明し、「アルマイト」と命名したのが起源です。アルマイトは元々は蓚酸アルマイトの登録商標であったのですが、アルマイトの普及に伴い、一般語として定着したものです。
www.alumite.co.jp/nanigo.htm

040312[木下恵介監督『二十四の瞳』(1954)〈映画瓦版-二十四の瞳〉1996.10.13]
◇ ある年代の人たちにとっては「涙なくして観られぬ映画」だそうですが、その仕組みがいささかあざとく感じられるのは世代の差というべきでしょう。僕は劇中に繰り返し流れる唱歌に郷愁を感じたりしない。子どもたちの身なりや境遇にも親しみを感じない。福祉制度が行き渡った社会しか知らないから、アルマイトの弁当箱が買えないとか、母親を亡くした乳飲み子が弱って死んでしまうとか、小学校も卒業していない子供が奉公に出されるなど、松江関係のエピソードには取っ掛かりからつまずいてしまった。もはや僕には彼女の境遇が実感としてイメージできないのです。望むと望まざるとに関わらず、僕はやけに豊かな時代に育ってしまったのです。
www.eiga-kawaraban.com/96/96101301.html

040312[給食の思い出〈over30club-BBS〉2002.11.18]
◇ 私、小学生の低学年の時は同じアルミ(アルマイト?)の食器だったと思います。その時はミルクの入った大きなバケツみたいな容器をふたりがかりで給食室から運んだのをおぼえてます。これが脱脂粉乳?。それから中学年で牛乳瓶(40本入りのケースを一人で運べるのが勲章でした)それから三角パックになって高学年の頃から配送センターってのができて各学校の給食室がなくなりました。それでトレーの容器になったと思います。先割れスプーンはずっとかな。
www.over30.jpn.ne.jp/over30club/bbs/library/ipnlib3/IPN1_118.HTM

040312[〈京都新聞-よみがえれ環境〉1998.4.23]
◇ 文部省の調査では、全国の小、中学校の16.8%、5,240校でポリカーボネート製食器が使われている。京都市内の市立小学校では、給食の食器は基本的に金属のアルマイト製を使用、1995年度から学校統廃合で誕生した新設校に強化磁器製食器を導入し、プラスチック製食器は使われていない。
www.kyoto-np.co.jp/kp/cop3/special/earth803.html

040312[北九州市議の議会質問〈せらちゃん倶楽部-政策室〉2000.6]
◇ 本市小学校の給食食器には、いまだにアルマイト製の食器が使われている。アルマイトの食器は、熱い食べ物を入れると手でもつこともできず、いわゆる犬食いの原因となる。こすれていやな音が発生したり、変形して見た目にも良いものではない。
www.serachan.net/seisakushitu/kodomo/index.html

040312[日の丸弁当〈グルメ探検隊-頭のご馳走〉]
◇ 白地のご飯と中央の一個の梅干しを日本国旗に見立てた、今や幻の弁当。正式には、アルマイト製の弁当箱で、食後のお茶は、このふたで飲む。アルマイトが梅干しの酸で、穴が開くこともあった。
www4.ocn.ne.jp/~hoppen/atama/atama18.html

040312[日の丸弁当〈日本人よ誇りを持て-日本国憲法〉2001.12.24]
◇ 日の丸弁当って知ってます? / ホカ弁のことじゃありません。アルマイトの四角い弁当箱の真中に梅干一つある弁当です。他におかずはなにもなし。 / めしも麦飯ですぐ臭くなっちゃうんですよね。冬 だるまストーブの煙突のまわりに弁当を入れて置くかごがあって、みんなの弁当を温めておくんですが教室に臭いが充満しました。池田首相が「貧乏人は麦を食え」なんて言う以前の話です。 / 給食が始まるとこれは感激でした。なにしろパンの他におかずが付いてましたから。脱脂粉乳って知ってますか?今の子供ならマズイって飲まないでしょうね。私たちにとってはこれがおいしくて大きなアルミのなべからひしゃげたアルマイトの食器に少しでも多く注いでもらおうとしたもんです。
www.mars.dti.ne.jp/~saitota/kenpo26-2.htm

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いおう 【硫黄

■ 英語 sulfur

▼ 〔「ゆあわ(湯泡)」の転か〕酸素族元素の一。元素記号 S 原子番号一六。原子量三二・〇七。黄色のもろい結晶。天然に単体で存在する。空気中で熱すると青白い炎を出して燃え、二酸化硫黄(亜硫酸ガス)となる。いろいろな金属と化合して硫化物をつくる。火薬・マッチ・医薬品の原料、漂白、ゴムの加硫、パルプ製造にも用いられる。ゆのあわ。ゆわう。

◆ 早くも、シグナルの緑の燈と、ぼんやり白い柱とが、ちらっと窓のそとを過ぎ、それから硫黄のほのおのようなくらいぼんやりした転てつ機の前のあかりが窓の下を通り、汽車はだんだんゆるやかになって、間もなくプラットホームの一列の電燈が、うつくしく規則正しくあらわれ、それがだんだん大きくなってひろがって、二人は丁度白鳥停車場の、大きな時計の前に来てとまりました。(宮沢賢治 『銀河鉄道の夜』)

◆ 俊寛は、少女の方を振向きながら時々、微笑を見せる。少女は、硫黄を採るために来たのだろう。が、硫黄を入れる筥(はこ)をそばへ置き捨てたまま、いつまでも俊寛が鰤を釣り上げるのを見ている。(菊池寛 『俊寛』)

040318[〈Welcome to 硫黄島 -硫黄島の歴史〉]
◇ 硫黄列島は、1543年スペインのベルナード・デ・トレースによって発見された。その後、英国のキャプテン・クックの部下、ゴアが1784年にこの列島を認めてサルファランド(硫黄島)と命名している。また、ロシアの航海者クルセンステルンも1805年にこの列島を認めたといわれるが、その後長く無住人無所属の島として放置されていた。 / 明治20年11月、東京知事一行が初めてこの列島を巡視、同24年(1891年)9月政府は正式にこの列島を日本領土に編入し、北硫黄島、硫黄島、南硫黄島と命名勅令により小笠原島庁管轄とした。
www.planet.ne.jp/~hario/rekisi.html

040318[硫黄泉〈関東周辺立ち寄り温泉みしゅらん-温泉の科学〉]
◇ 温泉街に一歩踏み込むと何処からともなく漂ってくるほのかな硫黄の香りに、「あ〜温泉に来たな〜」と旅情を覚えることも多いものです。日本人は硫黄泉が大好きで、数ある「好きな温泉アンケート」でもたいていは第一位に硫黄泉がランクされています。何故に好きかと問われても困ってしまいますが、はるか太古から温泉と付き合ってきたご先祖様の遠い記憶が遺伝子のなかに擦り込まれているのでしょうか。
www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/sience_of_hotspring/sience_of_hotspring_5-7-2.htm

040318[青海苔〈Webマガジンen-No.17-食を探る-海の味・塩の匂い/鈴木隆〉]
◇ 磯の香りを感じさせるものに、例えば青海苔がある。その特徴をなす匂い成分はジメチル・サルファイドという硫黄化合物で、海藻にも含まれるため、海の匂いの重要なパートをなすと思われるが、この成分は高濃度だと悪臭になり、実際口臭などの悪臭の原因となる匂いでもある。そのせいか青海苔や磯くささに通ずる匂いを西洋人は嫌う傾向にある。
www.shiojigyo.com/en/column/main2.cfm

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ウール 【wool

▼ 羊毛。また、羊毛で織った織物。

040315[ウールとヘアー〈Woolmark.jp-ウールQ&A〉]
◇ ウールとは、広義には「わた状の繊維」を指します。例えば、グラスウール(断熱材)やスチールウール(たわし)といった具合に。 一番狭い使い方では、「刈り取った羊の毛」をさします。 / 繊維分野では、以下のように使い分けます。 / 獣毛はウールとヘアーに分類されます。ヘアーは直毛で、表皮を覆うように生えています。ウールは「うぶ毛」状で、柔らかくヘアーの下(内側)に生えます。山羊はヘアーに覆われていますが、その内側にはウールがあり、「カシミア」という場合にはこのウールをさします。 飼育されている羊には、長い間の品種改良で、ヘアーはありません。
www.woolmark.jp/faq.html

040313[カシミアのウールマーク〈Woolmark.jp-ウールマークQ&A〉]
◇ カシミヤやアンゴラなどは独特の手触りや光沢で人気がありますが、「獣毛(hair)」と呼ばれ、「羊毛」とは区別 されます。 ただし、英語の「wool」には羊毛に加え、カシミヤ・アンゴラ・アルパカ・キャメル(らくだ)・モヘ ア・ラマ・グァナコ・ビキューナの高級獣毛を含め、幅広い意味に使用されています。 ですから、「羊毛50%カシミヤ50%」の商品にもウールマークをつけることができるのです。
www.woolmark.jp/qa.html

040313[ウールのきもの〈全日本きもの研究会-きもの博物館〉]
◇ きものの世界を離れ、洋服の世界で考えればウールは低価格品を意味しない。「ウール100 %」とか「ウールマーク付」と言えば高級品の部類である。「アクリル混」とか「アクリル70%」といえば低価格品である。ウールのきものがきものの世界では低額品である事を知ったとき私は、「ウールはきものの世界では低級品。洋服の世界では高級品。故にきものは洋服より高級品」などと、「きものナショナリズム」あるいは「きもの右翼」とでも呼ばれかねない印象を抱いたものだった。
www.ykya.co.jp/ykh/ykhtale/1oul.htm

040313[羊と育ったウエールズでの暮らし〈ベストウールクラブ-北極圏のウール/C・W・ニコル〉]
◇ 我が家では、牛肉や鶏肉に比べ、羊肉が食卓に上る機会のほうがずっと多かったし、靴下からマフラー、セーター、カーディガン、ツィードの上着にコート、帽子に至るまで、身につけるものもほとんどがウール。あの頃の私にとって、毛布と言えば羊毛以外に思いもつかなかった。
www.bestwool.jp/book/woolstory_01.html

040315[触ってごらんウールだよ〈現代用語の基礎的ではない知識〉1996]
◇ 【触ってごらんウールだよ】 1. かつら疑惑が浮上した人が自分の頭を指して云う言葉。 / 2. 人間の毛を植毛したり、カツラにしたりする場合も「ウール」だったりする。
www.elrosa.com/tisen/98/11010.html


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うんも 【雲母

▼ アルカリ金属・アルカリ土類金属・鉄などとアルミニウムを含むケイ酸塩鉱物。多くは単斜晶系、六角板状の結晶。薄くはがれ、光沢がある。白雲母・黒雲母・鱗(りん)雲母など二十数種がある。各種岩石の造岩鉱物として広く存在する。電気の絶縁材料、保温・耐熱材料などに用いる。きらら。マイカ。うんぼ。

◆ 私は叔父がこんな近い処に住んでいようとは夢にも思わなかったので、子供心に不思議に思いながら叔父に跟(つ)いて中に這入ると、上り口は半坪ばかりのタタキで、あと十畳ばかりの板の間に穴だらけのリノリウムを敷いて、天井には煤(すす)ぼけた雲母紙(うんもし)が貼ってあった。(夢野久作 『鉄槌(かなづち)』)

◆ 白い柔かな円石もころがつて来小さな錐の形の水晶の粒や、金雲母(きんうんも)のかけらもながれて来てとまりました。(宮沢賢治 『やまなし』)

◆ 病人はキシキシと泣く。 / 「お医者さん。私の病気は何でせう。いつごろ私は死にませう。」 / 「さやう、病人が病名を知らなくてもいゝのですがまあ蛭石病の初期ですね、所謂ふう病の中の一つ。俗にかぜは万病のもとと云ひますがね。それから、えゝと、も一つのご質問はあなたの命でしたかね。さやう、まあ長くても一万年は持ちません。お気の毒ですが一万年は持ちません。」(宮沢賢治 『楢ノ木大学士の野宿』)

◆ 大学士は葉巻を横にくはへ / 雲母紙(うんもし)を張った天井を / 斜めに見ながらにやっと笑ふ。(宮沢賢治 『楢ノ木大学士の野宿』)

040312[黒雲母〈鉱物たちの庭-ギャラリー〉]
◇ 黒雲母は風化しやすく、カリウムが逃げ出して、代わりに水が入り込む。これを加水黒雲母といい、黒かった色が褐色〜金色味を帯びる。 / 加熱すると水蒸気が層間を押し拡げるので、柱方向に数倍の長さに伸びる。そのさまはミミズや蛭や青虫が成長するようで、古来バーミキュライト(Vermiculite/語源は、虫が育つ) とか蛭石とか呼ばれた。 / 軽量かつ多孔質であることから、熱や騒音の遮蔽材として利用される。ちなみに白雲母や金雲母は絶縁性と耐熱性に優れ、その方面に需要を持つが、黒雲母は鉄を含み伝導性があるので不向きという。
www.asahi-net.or.jp/~jm9n-ymkw/mine/gallery4/285biotite.html

040312[蛭石(ひるいし)〈山の来歴-地学と宮澤賢治〉]
◇ 蛭石は粘土鉱物の一種です。バーミキュライトとも呼びます。黒雲母が変質作用を被ると、蛭石に変わることが多いのですが、蛭石という名前は面白いですね。こんな名前でよばれるのは理由があります。黒雲母が変質して蛭石に変わっても、鉱物の外形は黒雲母の形のままの事があります。六角板状の形が普通です。これをホットプレートの上で暖めると面白いことが起きます。板に垂直な方向に広がりはじめます。それがにょろにょろと、蛭が伸びるときのように、長く伸びてゆくのです。このようすから蛭石と呼ばれています。
village.infoweb.ne.jp/~hikapyon/tsukasa/nara2.htm

040312[〈TDK-Science Museum-No.21〉]
◇ 日本における雲母の主用途は和紙材料でした。和紙を漉(す)くとき雲母の粉末を混ぜ込むと高級感が得られます。また、香をくゆらすとき、香炉の火の上に置く香敷の材料としても使われました。雲母は軽く薄く透明なばかりでなく、耐熱性にもすぐれているからです。初期の石油ストーブの燃焼確認用の窓にも雲母が使われていました。
www.tdk.co.jp/tjdad01/dad00021.htm

040312[バイオタイトの語源〈鉱物たちの庭-ギャラリー〉]
◇ 学名 Biotite は、雲母を研究したフランスの学者、ジャン・バプティスト・ビオ(Biot)にちなむ。通常英語読みにバイオタイトと発音するが、本来はビオタイトかもしれない。
www.asahi-net.or.jp/~jm9n-ymkw/mine/gallery4/285biotite.html

040312[雲母の語源〈ざつがく・ザツガク・雑学-vol.177〉2003.5.8]
◇ 雲母は中国における薬物学の最古の古典と言われる『神農本草経』(西暦1〜2世紀)
に薬として載っています。 / 名前の由来は、中国では山中で雲が湧き出るところの直下に産するという迷信があったため、雲母と呼ばれたと言います。
www.melma.com/mag/52/m00011552/a00000155.html

040312[千枚はがし〈Self Creation -雲母各種〉]
◇ 別名”千枚はがし”。何枚でも薄くはがせる、面白い鉱物です。きらきら良く輝くので、古くから和紙に混ぜたり、絵に振りかけて光らせたり、いろいろと利用されてきました。余談ですが、吉良上野介の「きら」は、雲母の産地を領地としていたことから名乗った姓だったりします。効果としては、他人からの中傷や妬みを防ぐとされています。
www.selfcreation.net/Self_Content_unmo.htm

040312[千枚めくり〈山口雲母工業所-雲母(マイカ)について〉1999.5]
◇ 山口雲母は雲母粉の湿式・乾式粉砕専業メーカーです。(以前、当研究会でも発表・宣伝を致しました。)それ以外のことは現在でもあまりやっていません。私が小さい頃より工場("こうば"と呼んでました。)には白雲母(マスコバイト)の原石があり通称千枚めくりと呼ばれていて、小学・中学と大きな雲母原石を山口一族の誰かが学校に寄付してました。
www.mica.ymsc.co.jp/filler/kanto2.html

040312[マスコバイト〈鉱物たちの庭-ギャラリー〉]
◇ 昔、ロシアはウラル山脈の西方にマスコヴィと呼ばれる土地(今のモスクワ)があって、山脈のペグマタイトから沢山の白雲母が採れた。その巨大な結晶を剥いで作った半透明の板は断熱性が良く、厳しい冬を迎えるヨーロッパでは、何百年にも亘って、格好の窓ガラス材として愛用された。以来、この種の白雲母をマスコバイトという。
www.asahi-net.or.jp/~jm9n-ymkw/mine/gallery2/145starm.html

040312[きららという姓〈札幌タイムス-書評〉2002.8.24]
◇ 平田弘史という劇画家の作品に、雲母という姓の人物が登場する時代劇がある。作品の中でその名字は何の話題にもならないのだが、私は読んで感動した。雲母の2字に「きらら」とルビが振られていたのだ。
sapporotimes.co.jp/book/020824.html

040312[〈NR出版会サイト-雲母書房〉2003.1]
◇ 雲母と書いて「きらら」と読ませるのは、当て字ではありません。ちゃんと国語辞典に出ています。鉱物の雲母(うんも)がキラキラと光ることから転じたものですが、語感がいいでしょう。一度覚えていただくと、けっこう印象に残る社名だと思います。
www006.upp.so-net.ne.jp/Nrs/yomimono1.html

[〈JIA東海支部-ARCHITECT-石は語る/足立守〉2002.3]
◇ 忠臣蔵で悪役として名高い吉良上野介の所領は、現在の愛知県幡豆郡吉良町を中心とする地域でした。吉良という地名はこの地域のペグマタイトに含まれる雲母に由来すると思われます。その理由は、和銅3年(710年)にこの地域から雲母(キラ)が朝廷に献上されたという記録があり、古くから雲母の産地として知れ渡っていたからです。吉良町内でペグマタイトがでた場所は、町の東部の青鳥山付近で、電気石、リチウム雲母、緑柱石、ガーネット、モナザイトなどが報告されています。現在、この場所は吉良ゴルフ場の一部になっていて、残念ながらペグマタイトは見られません。
www.jia-tokai.org/sibu/architect/2002/0203/isi.htm

040312[雲母坂(きららざか)〈真宗大谷派-しんらんさまめぐり〉]
◇ 親鸞聖人が満九歳で御得度をされ、最初に比叡山に登られた道。そして、満29歳で比叡山を降りられた道がこの雲母坂と伝えられている。
www.tomo-net.or.jp/cere/meguri/kyoto/s06.html

040312[第1219回放送用語委員会(2001.2.15)の決定〈NHK放送文化研究所-文研ファイル〉2001.3]
◇ 雲母 →○ウンモ / これまでのNHKの決定では「ウンモ」「ウンボ」両方の読み方を等しく認めていました。第585回放送用語委員会(1965.9.2)で決められたものですが、これは文部省の『学術用語集』を尊重したものでした。当時の『学術用語集』では、以前「ウンボ」という読みを使っていましたが、1980年代になって「ウンモ」に改訂しています。学校教育でも現在は「ウンモ」で教えています。委員からは、「『ウンモ』を使っている。伝統的な言い方ではむしろ『きらら』で、『ウンボ』とは言わない」という意見が出されました。用語班では当初「1.ウンモ 2.ウンボ」という案を出していましたが、委員の意見を踏まえて、「ウンモ」のみを認めることにしました。
www.nhk.or.jp/bunken/nl-file/n033-s.html

040312[10歳の少年が買ったリチア雲母〈ハリーのポケット-ぼくのすきな鉱物〉]
◇ とくちょう 石なのに、紙のようにペラペラはがれてしまうところが、不思議。黒雲母、白雲母、金雲母などもある。ぼくが持っているのは、薄紫色。 / 僕の好きな所 一枚一枚が薄くはがれ、色がきれいなところ。石なのにもろいところが好き。
www2u.biglobe.ne.jp/~akane-u/sub10n01021.htm

040312[ママレンジには雲母の板〈まぼろしチャンネル-昭和ニコニコ堂〉2003.2.21]
◇ そしてホットケーキを「自分で焼きたい」という子どもたちの希望にこたえて登場したのが、昭和44年の「ママレンジ」という玩具だ。2500円のオモチャなんだけど、ホントにホットケーキが焼けるらしい。といっても直径5センチくらいの小さなモノだけど。もちろん、森永ホットケーキミックスとメープルシロップも付いていた。「マーマレンジ、ママレンジ、エプロン付けてクッキング、アサヒ玩具のママレンジ♪」というCMが、アニメ番組の後にいつも流れていたのをおぼえていた。発売から1年で17万個も売り上げたヒット玩具。// 焼けるということは、やけどなどの危険もありそうだ。でもそこはちゃんと安全を考えて、フライパンを乗せると自動的にスイッチが入り、はずせば、電源が切れるようになっていた。それに、焼く部分はニクロム線の上を雲母の板でカバーしてあるから、熱に直接手をふれる恐れはない。昭和44年の毎日小学生新聞でも、優良玩具としてすいせんされていたほどだ。
maboroshi-ch.com/sun/toy_05.htm

040312[真空管の思い出〈のらねこ商会-眠れる森の真空管〉]
◇ 拾ったりジャンク屋で買った真空管は、生きているとは限らない。フィラメントやヒータが切れているものや真空度が落ちているものは、完全に「死んだ」真空管だ。そこまで行かなくても、陰極に塗布された酸化物が剥げかけていたり、雲母板がずれて電極が歪んでいたり、怪しげな状態になっているものもある。
homepage.mac.com/ryomasuda/VT/SleepingVT/story.html

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エナメル 【enamel

▼ (1)顔料を含む塗料の総称。狭義には油ペイント(ペンキ)に対して油ワニスを用いたエナメル-ペイントのこと。エナメル-ペイントのほか硝酸セルロースを用いたラッカー-エナメルもある。光沢があり、木工品や皮革製品をはじめ機械・車両などの外部塗装に用いる。「―の靴」「―塗装」
  (2)琺瑯(ほうろう)。

◆ 流行品店とキャバレーのあるアスファルトの露地に、黒いケープレットのついた夜の衣裳をつけて、ハイ・ヒールのエナメルの靴を穿いた都会の売笑婦。(吉行エイスケ 『戦争のファンタジイ』)

◆ 保吉は庫裡の玄関に新しいエナメルの靴を脱ぎ、日当りの好い長廊下を畳ばかり新しい会葬者席へ通った。(芥川龍之介 『文章』)

◆ 生れて初めての背広服を派手な格子縞で作らせられたのはその時であった。カンガルーとエナメルの高価い靴を買わされたのも同時であった。帽子もゴルフ用の鳥打ちや、ビバや、お釜帽を次から次に冠らせられた。(夢野久作 『鉄槌(かなづち)』)

◆ 顔は少し横向きになっていたので、厚く白粉をつけて、白いエナメルほど照りを持つ頬から中高の鼻が彫刻のようにはっきり見えた。(岡本かの子 『老妓抄』)

◆ 髪切虫にとっては、触角を動かす事が、つまり、考える事であった。見る事であった。聞く事であった。嗅ぐ事であった。あらゆる感覚を一つに集めた全生命そのものであった。その卵白色とエナメル黒のダンダラの長い長い抛物線型に伸びた触角は、宇宙間に彷徨している超時間的、超空間的の無限の波動を、自由自在の敏感さで受容れるところの……そうして受入れつつユラリユラリと桐の葉蔭で旋回しているところの……変幻極まりない鋭敏な、小さい、生きた、アンテナそのものであった。(夢野久作 『髪切虫』)

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おうどう 【黄銅

▼ 銅と亜鉛との合金。黄色。加工しやすくさびないので工業材料などとして広く用いる。真鍮(しんちゆう)。

◆ 日の光 まばゆくも葉越しに射して / きらめきぬ 黄銅の胸当の上に (アルフレッド・テニソン『シャロットの妖姫』 坪内逍遥訳)

◆ 広い十畳間に黄銅の火鉢が大きい。(石川啄木 『雪中行 小樽より釧路まで』)

◆ 一厘錢は黄銅の地色がぴか/\と光るまで摩擦されてあつた。 (長塚節『土』)

しんちゅう

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おおやいし 【大谷石

▼ 宇都宮市大谷町付近でとれる凝灰岩(ぎようかいがん)の石材。青白色で柔らかく加工しやすい。耐久性・耐火性に富み、土台石・石塀などに使用。

◆ 帝国ホテルの中へはいるのは勿論彼女には始めてだった。たね子は紋服を着た夫を前に狭い階段を登りながら、大谷石や煉瓦を用いた内部に何か無気味に近いものを感じた。(芥川龍之介 『たね子の憂鬱』)

040313[帝国ホテル 〈宇都宮市-大谷石産業〉]
◇ 大正11年旧帝国ホテルがアメリカの建築技師ライト氏の設計により大谷石の使用により建築され,同12年9月の関東大震災においてその耐火耐震性の優秀さが認められ,一躍声価を高めた。 / その後,旧帝国ホテルは取壊されたが,現在愛知県犬山市明治村に一部復元され保存されている。
www.city.utsunomiya.tochigi.jp/shoko/kogyo/kogyo/jibasan/ohya.html

040313[〈10th Avenue-東京の近代建築〉 2003.12.22]
◇ 大谷石は、帝国ホテル以降、皆に知られるようになりました。宇都宮には大谷石でつくられた大変美しい教会があります。いまも関東各地の住宅に、大谷石か、もしくは大谷石を意識した石材装飾を発見することができます。建材用の石の名前としては大谷石は御影石と並んで、日本では一番知られたものではないでしょうか。その採掘跡はいまや立派な観光地になっています。
members.aol.com/nk10jo/kiko1/tokin/tokin30.html

040313[大谷石のかけら 〈大成建設-ある日こんなところ/安西水丸〉]
◇ 旧帝国ホテルは1967年に取り壊されたのだが、ぼくは記念にといってホテルに使われていた大谷石のかけらをもらった。今度明治村で旧帝国ホテルの一部を見るということで、その大谷石のかけらを家中さがしてみたのだが、どこに置いたのかついに見つからなかった。 // ライト氏は世界的に著名なアメリカの建築家だが、とても女性にもてた人だったらしい。そんな彼が、こともあろうに暗黒街の帝王アル・カポネの愛人と関係ができてしまったのだという。ライト氏はカポネの手を逃れ東京まで逃亡したのだが、カポネの命を受けた追手は東京まで迫ってきた。ライト氏は東京からさらに北の栃木県の大谷に隠れ住むことになった。 / ライト氏は時々大谷の村を歩いては息抜きしたというが、ある時とても美しいものに出会った。大谷石だったのだ。 / 旧帝国ホテルに大谷石が使われたのは、その時の出会いがあったからだというのだが、まあ、この話自体がまゆつばものなのでまずでたらめな作り話として考えていいだろう。
www.taisei.co.jp/bookfilm/aruhi/html/9706.html

040313[〈西荻大全-私と西荻-昭和20年の西荻〉]
◇ 当時の邸宅は大谷石の塀と大谷石の門柱に掛かる「見越しの松」が定番で、何処の邸宅も大きな木製の門扉を通って中にはいると、路地が玄関まで続いていました。
park12.wakwak.com/~tks/watashi.htm

040313[大谷石のアプローチ 〈Living style-古いトランクのある家/鳥越けい子〉]
◇ わが家のアプローチは大谷石。新しい家には塀をつくらなかったので、昔の家の塀に使っていた大谷石を取って置いて、アプローチに敷いたのです。
sumai.nikkei.co.jp/style/torigoetei/01.html

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オブラート 【oblaatオランダ

▼ デンプンと寒天で作った、半透明の薄い膜。粉薬などを包んで飲む。

040316[〈はてなダイアリー-キーワード〉]
▽ 【オブラート】 寒天と澱粉から作られた半透明の薄膜。水に溶ける。よって、苦い粉薬を飲むときにこれで包んでいたが、現在はカプセルや錠剤が普及しているので実際に使ったことがある人は少ないかも。水分を拭き取ってないテーブルの上に置くと、べったり張り付いてしまって大変なことになったり。また、コツを掴んでないと、口の中に張り付いてしまったり(そして唾液で溶けて中身がばらまかれたり)といろいろ扱いが面倒なのもマイナス要素か。
d.hatena.ne.jp/

◆ 詩はオブラートなり / 情熱は下剤なり、(小熊秀雄 「善良の頭目として」『中期詩篇』)

◆ 夜の十二時過ぎ、私は公園を横切って歩いていた。アークライトが緑の茂みを打(ぶ)ち抜いて、複雑な模様を地上に織っていた。ビールの汗で、私は湿ったオブラートに包まれたようにベトベトしていた。(葉山嘉樹 『淫賣婦』)

040317[〈森村誠一作品集〉]
◇ 有田はその会社に入るまで、オブラートというものにまったく無縁であった。幼いころ、苦い薬を母親がオブラートに包んで飲ませてくれたが、飴や餅を包む菓子の一種かとおもっていた。 // その社に入って学んだ知識であるが、語源はラテン語で、別に奉献の意味があるそうで、キリスト教の祭壇に供える煎餅がオブラートと呼ばれたそうである。 // ドイツでは、この煎餅の薄いものに散薬を包んで服用したそうであるが、これは硬質オブラートと呼ばれ、現在ではほとんどすたれてしまった。 // 今日使用されているオブラートは軟質オブラートで、じゃが芋、あるいはさつま芋澱粉を原料に、これに寒天を加え、食べられる紙としたものである。用途の8割が菓子包装用である。薬用品は0.01ないし0.015ミリメートル以下の薄いもので、光や湿気に極めて敏感である。(森村誠一『殺人倶楽部』)
www5c.biglobe.ne.jp/~mo0405/s/34.htm

040317[山下太郎〈九州石油-偉人伝〉]
◇ 山下太郎は1889年に秋田県に生まれました。22才になると札幌農学校(現北海道大学)に入学します。大学を卒業した彼は、発明に熱中します。いとこの山下九助と研究を続けた結果、今でも私たちが使っているオブラートを発明するのです。山下太郎は1914年にオブラートの特許をとり会社を作りました。オブラートはキャラメルなどに使われて会社は順調に発展します。
www.kyushuoil.co.jp/ijin/text/ijin12.html

040317[倶知安のジャガイモ〈NHK札幌-ほくほくテレビ〉]
◇ 昼は暖かく夜は山から冷たい風が吹き、ジャガイモの葉に刺激を与えます。その刺激ででんぷん質が非常に強くなります。ですから羊蹄山の山麓のイモで出来たでんぷんでないと、厚さ0.02ミリのオブラートはできません。粉末のオブラートは、お菓子や釣りのえさの材料などに使われています。
www.nhk.or.jp/sapporo/hokuhoku/jichitai/kutchan.html

040317[オブラートは化学物質?〈読売新聞大阪本社-ものしり百科Q&A〉]
◇ オブラートの成分は、何でしょうか。薬を包んで飲んでいる人も多いと思いますが、最近になって「化学物質で出来ているので口にしない方が良い」と聞き、心配です。(京都市・真鍋久美子)
osaka.yomiuri.co.jp/mono/kako/010109b.htm

040317[オブラートみたいなもの〈農林水産技術情報教会-質問コーナー〉]
◇ Q:お米を炊いた時、粉薬を包む「オブラート」みたいなものが、釜の内側にビッシリできます。はがしてみると結構丈夫なもので、ちょっと触った位では破れません。 机の上にそのまま置いとくと、まるで板のようにさえ思えます。これを食べてるのかと思うと、あまりいい気分はしないのですが、一体何なのでしょうか、教えて下さい。(さいたま市 H.H.) / A:お米を炊いたときにできる膜は、お米のデンプン質が溶けだしたもので、「オブラートみたいなもの」というよりも、正にオブラートそのものです。 お米のオブラートを使った春巻風の料理などもあるようです。口にしても全く問題はありません。
www.afftis.or.jp/QandA/box/mon/mon634.htm

[〈はっぴぃまにあ-日記〉2004.1.6]
◇ 夜中の授乳で夫も見送れなかった朝、 / 「宅急便でーっすっ!」 / アタシ好みのちょっと低めで / オブラートに包んだ…ぢゃない; / ビブラートのかかった声が / 玄関の向こうで響いていた。
app.memorize.ne.jp/d/28/98292/2004/01/1/15

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